2005年04月11日

アメリカに支配された日本:小泉/竹中悪夢の政治

やはりという記事です。
「2005.4.2
2005年森田実政治日誌[87]

小泉・竹中政治を否定することなくして日本の未来なし【その1】――3月26日朝日新聞オピニオン欄の関岡英之論文の意義
「天網恢恢疎にして漏らさず」(老子)





ついに表に出てきた「年次改革要望書」の存在
 上記の「老子」の意味は「天の網は広大で目が粗いが漏らすことはない」というものです。よく「悪人は必ず天罰を受ける」という意味に使われます。
 私が言いたいことは、日本政府、大新聞、大テレビ局が、この10年間の「日本の構造改革」の指針書(「年次改革要望書」)の存在を隠しつづけてきたけれども、ついに隠しきれなくなった、ということです。
 関岡英之氏(ノンフィクション作家)は、私が本欄で何回も紹介した『拒否できない日本――アメリカの日本改造が進んでいる』(文春新書、2004年4月刊)の著者です。関岡氏は、「1990年代から2000年代に至る日本の構造改革はアメリカによる日本改造であること」と、「この指針書が存在していること」を明らかにしました。
 『拒否できない日本』が出版されてから約1年が経ちましたが、この間も(それ以前から)大新聞、大マスコミは、このアメリカ主導の構造改革を、激賞しつづけてきました。関岡氏が指摘した「米国政府の日本政府に対する『年次改革要望書』」のことを報道しませんでした。したがって、国民は「年次改革要望書」の存在すら知らなかったのです。
 繰り返します。「年次改革要望書」は、この10年間の「日本改造」の真の指針書だったのです。日本政府、大マスコミはこの重要文書の存在そのものを隠しつづけてきたのです。
 この「年次改革要望書」の存在が、国民に知らされれば、国民はこの10年間の「日本大改造」が、米国政府の指示によるものであり、「米国政府の、米国政府による、米国政府のための大改造」であることが明らかになります。
 私は、あえて言います。日本政府が「年次改革要望書」を発表せず、大マスコミが「年次改革要望書」を報道しなかったのは、国民が“真実”を知るのをおそれたからだと思っています。大マスコミが激賞し続けてきた「小泉・竹中構造改革」は、「日本を米国政府好みの国に改造する」ための構造改革だったのです。
 3月26日朝日新聞朝刊のオピニオン欄で関岡英之氏の名前と写真、「構造改革 『米国モデル』に検証必要」の見出しを見たとき、「やっと、大新聞が『年次改革要望書』の存在を報道してくれた、ようやく…、やっと…」という気持ちでした。私は、朝日新聞が「年次改革要望書」の存在を、他紙に先駆けて報道したことを高く評価します。
 じつは、私は、昔から、近くの朝日新聞販売店から朝日新聞ほか数々の定期刊行物を購入して読んでいました。この4月から新聞以外の購読はすべてやめるつもりでした。しかし、3月26日に関岡論文を掲載した同社編集局の“快挙”を評価し、今後も諸々の定期刊行物を購読しつづけることにしました。朝日新聞への、ほんの心ばかりの「褒美」です。



注目すべき関岡論文の内容
 関岡英之氏は朝日新聞論文の最初にこう書いています。
《日本の今後を知りたいと思えば、必読の文献がある。米国政府が毎年、提示している「年次改革要望書」である。93年7月、宮沢首相とクリントン大統領の日米首脳会談で決まり、94年から交換されている。
 表面上は対等で双方向という建前で、日本も米国に要望書を出してはいるが、もともと米国が外圧の手段として提案した経緯がある。事実上、日本の法律や制度の中で、米国の国益にとって都合の悪い部分の変更を迫るものだと言える。》
 対象は、「日本の立法、行政、司法の三権も含む、あらゆる分野に及んでいる」のです。
 郵政民営化についていえば、早くも96年11月15日付の「年次改革要望書」で要求しています。さらに2003年、2004年の要望書で、より具体的に要求しています。小泉・竹中体制は、郵政民営化を、米国の要求どおりに実行しようとしているのです。
 関岡氏は、朝日新聞紙上の論説の最後をこう結んでいます。
《いわゆる「構造改革」は、米国の圧力などすべての背景について政府が説明責任を果たした上で、国益に照らして検証されるべきではないか。》
 関岡氏の3月26日朝日新聞の一文は、全国民の必読文献です。本欄で全文を引用することができないのが残念です。ぜひ、朝日新聞3月26日朝刊を読んでください。



政治の季節の到来
 2005年4月、政治の季節が到来しました。
 小泉首相は力づくで米国政府の要求どおりの郵政民営化を強行しようとしています。小泉首相は自民党に対して、「首相に従わなければ衆院解散だ」と言わんばかりの脅しを繰り返してきました。衆院解散をおそれる自民党議員は及び腰です。小泉首相に従順です。
 しかし、自民党の中にも「腰抜けでない政治家」はいます。首相が筋の通らないことを強行したとき「ノー」と言う勇気ある議員はいます。
 民主党は、小泉・竹中郵政改革に反対することに決めました。現在の公社形態での改革の方がよいという考え方にもとづいています。これは正しい決定だと思います。
 郵政民営化に賛成している政党は公明党だけです。
 いよいよ政治の季節が始まります。マスコミには中立的で公正な報道を行うことを求めたいと思います。」



2005.4.3(その1)
2005年森田実政治日誌[88]

小泉・竹中政治を否定することなくして日本の未来なし【その2】――吉川元忠神奈川大学教授の憂国の訴え――『円がドルに呑み込まれる日』は全国民が読むべき本です
「(日本の)財政も金融もいわば滅茶苦茶であるのはなぜなのだろうか。そこには目につきやすい小さな失敗を超えた何か基本的な問題があるのではないだろうか。それは……円・ドル関係の矛盾である。しかもそれを是正しようとせず対米関係を慮るばかりで……その挙げ句日本は深みにはまり、今やどうにもならなくなっている」(吉川元忠『円がドルに呑み込まれる日』「はじめに」より)

 『マネー敗戦』の著者、吉川元忠(きっかわ・もとただ)神奈川大学教授の新著『円がドルに呑み込まれる日』(徳間書店、2005.2.25刊)が出版されました。
 全国民に読んでほしい本です。ここには真実が書かれています。政府、大新聞、大マスコミが隠しつづけている日本の政治・経済の深層が描かれています。いまの日本で最も大切なことは、国民が真実を知ることです。現在の日本の最大の悲劇は、真実が国民に知らされていないことにあります。
 本書の帯にはこう書かれています――「『円のドル化』で国民の富が毟られている!」。国民の富が、米国によって毟(むし)られていくのです。さらにこうつづきます――「軍事同盟より怖い日米経済同盟。日本を亡国へ導く対米マネー献上の恐るべきカラクリを暴く」。
 日本国民は、「小泉・竹中」政権の主導のもとに地獄に向かって道を急いでいるのです。この地獄への道を賞賛しているのが日本のマスコミです。まことに愚かです。
 日本国民が一生懸命に働いて稼いで蓄えた金は、米国にむしられて、米国政府と米国の大資本のために使われているのです。これを日本政府が、喜んでやっているのです。吉川教授は、本書でこのカラクリを暴き出しています。

 「竹中は米国のエージェント」であり「トロイの木馬」である(吉川氏)
 吉川教授は、「竹中金融相がなぜ登場したのか」について、次のように述べています(p.112)。
《邦銀やさらにはその不良債権処理によって焙り出されてくる問題企業・物件を米系ハゲタカ・ファンドが入手する。さらにゆくゆくは郵政民営化によって旧郵貯・簡保資金を米系金融機関の意のままに、結局は米国内で使わせるためのエージェントが竹中氏ではないか……》 もう一つ重要な指摘があります。
《アメリカ側が編み出した戦略は、むしろ日本政府の中枢に基本的にその意志に沿って動いてくれる「エージェント」を送り込むことだった……。つまりは竹中平蔵氏という「トロイの木馬」が日本に送り込まれたということである。》
 鋭い指摘です。日本国民のためでなく、米国政府のために働いている(とみられている)竹中平蔵氏の本質がズバリ述べられています。



 日本の現状への強い危機感
 吉川教授は「はじめに」の終わりにこう書いています。
《国内の状況を見ると、TVのニュース番組や経済の専門紙においてすら、もはや借金漬けで動きのとれないアメリカ経済やドルの行方といった問題は存在しないかの如くで、相変わらず「アメリカ経済の成長率は?」といったところに重点がおかれている。日本人が「大本営発表」を信じ込まされ、言論統制されてメディアも総沈黙し、挙げ句の果てに惨めな敗戦に引き込まれた第二次世界大戦と、どこか似ているとはいえないだろうか?
 日本や国民の将来は、残された時間に何とかこの状態を脱し、転換の歩みを進めていけるかどうかにかかっている。》
 国民が、“日本の真実”を一日も早く知り、いまの小泉・竹中政治がどんなに危険なものであるかを知る上で本書は有益な本です。
 日本が「小泉・竹中体制」主導のもとで地獄の道を進んでいることに早く気づかないと、たいへん悲惨なことが起こるおそれが強いのです。」


「 2005.4.4
2005年森田実政治日誌[89]

小泉・竹中政治を否定することなくして日本の未来なし【その3】――東谷暁著『民営化という虚妄』(祥伝社)は全国民必読の書である
「『国営=悪』の感情論が国を滅ぼす」(東谷暁)

 「全国民必読の書」とも言うべきすぐれた本が出版されました。勇気ある著者です。
 本書のカバー裏にはこう書いてあります――「政府が声高に叫ぶ民営化の『必然』や、マスコミが語る改革の『正義』など虚妄に過ぎない!」
 しかも、各省のタイトルが、本書の内容をずばり示しています。次のとおりです。
 序章*「郵政民営化論」はウソと無責任のかたまり――この巨大な「愚行」についての、正確な情報が流されていない
 第一章*イデオロギーと化した「民営化」――「国営はすべて悪」という感情論は、いかにして形成されたか
 第二章*「道路公団民営化」と何だったのか
 第三章*諸外国の「民営化の実態」に何を学ぶか――テレビ・マスコミは伝えない民営化の「真の成否」を検証する
 第四章*日本を蝕(むしば)む単純な「市場万能主義」――「国がなすべきこと」をいま見直さないと、日本経済の力も失われる
 終章*強引な「郵政民営化」がもたらす悲劇――小泉改革のほとんどすべてが失敗しているのはなぜか
 本書には、いま日本国民が本当に知りたいことが書かれています。 

 私はまだ東谷暁氏とは面識がありませんが、同氏の著作はすでに何冊か読みました。最近では『エコノミストは信用できない』(文春新書)、『日本経済新聞は信用できるか』(PHP研究所)を読みました。能力のあるライターだと思い、高く評価しています。
 今回の著書は、東谷氏の今日までの著作活動の総決算のような感じがするほど迫力があります。繰り返します。是非とも、全国民の皆さんに読んでほしいと願います。

 著者は冒頭に次のように書いています。
 「近年、これほど不誠実なことがまかり通っている例はないといっても過言ではない。……私は人と会うたびに、『郵政民営化の最大の理由は何だと思うか』と聞いてきたが、いちばん多い答えが『郵貯のお金が特殊法人に流れて、新たな赤字を生み出しているから』というものだった。しかしこの答は実はほとんど意味をなしていない。というのは郵貯で集められたお金が財務省(旧大蔵省)の資金運用部に預けられ、そのお金が財政投融資というかたちで特殊法人に流れるという仕組みは、すでに廃止されてしまっているからだ」。
 これは一例です。ここにあるとおり、郵政民営化についての議論はデタラメが大変に多いのです。「特定郵便局長会が日本を支配している」というのも郵政民営化論者の論拠になっていますが、これは実態とはまったく違います。はるか昔の話を持ち出しているのです。これもデタラメです。
 著者がいうとおり、郵政民営化議論にはウソがまかり通っているのです。

 東谷氏は「あとがき」の最後でこう述べています。
 「今回の郵政民営化の議論については、そのあまりの異常さに、多くの人たちが違和感を隠さないようになった。……政府が声高に叫ぶ民営化の『必然』や、マスコミが語る改革の『正義』など虚妄ではないかと、心のなかで思っていた人たちが大勢いることを信じたい」。
 同感です。全国民にお願いします。とにかく、この本を読んでください。そして、日本国のあり方をみんなで真面目に考えなければなりません政治家のウソにだまされないようにしなければなりません。
 良識と倫理を取り戻すべき時です。これに役立つ本です。」


「 
2005.4.5
2005年森田実政治日誌[90]

小泉・竹中政治を否定することなくして日本の未来なし【その4】――米国の研究者S氏との対話
「もし、祖国の一部が自由でないならば、自分は自由だと感ずることはできない。半分生きているということがありえないように、半分自由だということはありえない」(スカルノ)

 旧知の米国在住の日本人研究者S氏(米国犯罪学会会員)が、中国・北京での仕事(研究者の会議での講演と討論)のあと、東京に立ち寄ったときに会いました。4月3日(日)のことです。S氏は政治的には中立的な立場の方で、分析力は高度です。高い能力の持ち主です。
 S氏は、小泉・竹中政治を批判しているわけではありませんが、S氏の話は、日本の将来を見る上で、重要な問題提起ですので、紹介します。



《S氏の話の要旨》
 (1)中国は日本との関係を非常に大切なことと考えている。学ぶべきことが多々あると考えている。日本にはすぐれたものがたくさんある。技術面ではとくに学ぶべきことが多い。経済運営面でも学ぶべきことが多い。中国人は日本の成功と失敗の教訓を学びたいと考えている。日本は中国にとって必要な国である。このことを日本人も知っておくべきだと思う。もちろん日本も中国に学ぶ姿勢が必要である。
 (2)S氏は、日本の現実、それに至る経緯を話し、日本の失敗を繰り返さないようにすべきだ、と中国側に話した。日本の失敗とは、円とドルとの為替関係のこと。1985年9月22日のプラザ合意により、日本の円を切り上げる(ドルを安くする)ことに日米で合意した。このとき1ドル=240円だった。日本側は1ドル=190円くらいで止まり、安定すると考えていたが、この予測(期待)は外れた。1ドル=150円くらいであれば日本の産業の競争力は維持されるが、しかし、そこでも止まらない。現在は1ドル=100円台の状況だ。ずっとこの状況がつづいている。1ドル=100円では、日本の産業の競争力は弱まる。日本経済は衰退するばかりだ。
 1ドル=100円の状況がつづけば、日本は産業の競争力が弱くなり、経済不況が長期的につづく。もはや、日本は長期不況から脱却できない。ほとんど永久に不況に耐えつづける以外に道はない。これは、日本が米国の要請に従って、過度の円高を認めた結果である。
 (3)日本の経済力は急激に弱まっている。国民経済は事実上の破産状況にある。ここまで国が弱体化すると、日本はもはや、米国の言うとおりにする以外に道はない。政治も経済も安全保障も、何もかも米国に従うしか道がない。日本がもし米国の支配から脱け出ようとすれば、日本は米国によってつぶされる。このことも、S氏は中国での講演で話した。
 日本には、もはや、米国の従属国として生きる以外の選択肢がない。もしも日本が米国政府から「中国と戦え!」「アジアと戦え!」と命令されたら、どうするか。日本政府には拒否することができない。拒否したら、政府だけでなく、日本全体が米国政府によってつぶされる。たとえどんなひどいことでも、米国政府の命令には逆らえない。もう日本は独立国になることは不可能だ。小泉政権によってそのような状況がつくられてしまった。このことも中国側に話したという。
 (4)日本に利用価値がある間は、米国は日本を支配しつづける。日本が独立できるのは、日本が米国にとって何の価値もなくなったときだろう。それまでは、日本は、どんなことでも、米国政府の言うことを聞くしかない。少なくとも、これから4年間、ブッシュ政権がつづく間は、日本は米国の植民地にされつづけることになる。これも、S氏は中国側に話し、「中国が日本のようにならないよう、日本のことを研究すべきだ」と忠告したという。

 以上は、あくまで研究者S氏の中国での講演内容の一部であり、S氏の分析です。
 米国に留学し米国に長期に滞在し、学生生活だけでなく就職して働いた人々の多くは、「米国性善説」に立っています。したがって「日米同盟」で一体化すればするほど、日本が幸せになるという見方をとっています。このような「米国性善説」論者が、小泉構造改革を推進し、日本を米国の植民地として恒久化してきたのです。S氏も米国の大学出身者ですが、必ずしも「米国性善説」はとっていません。もう少し常識的です。

 しかし、米国絶対性善説は間違っていると私は考えます。救いがたい誤りだと私は思います。権力者には「欲」があります。資本家も欲で動きます。欲のある者の本性は悪です。米国の指導層を性善説で見るのはたいへん大きな過ちなのです。最近のネオコンは「悪」です。

 S氏は、「日本は、もはや、米国の支配から脱け出られない。米国の奴隷になるしか日本人には道がない」という考え方です。
 S氏と私の違いは、私はたとえいかなる犠牲を払っても、独立したいと考えていますが、S氏はもはやどうにもならぬ、すべては手遅れだと考えているようです。S氏は尊敬すべき友人ですが、この見方には私は同意できません。

 私は「もはやすべては手遅れ」という考え方はとりません。ただ、国民が「小泉・竹中政治が従米主義であり、日本を米国の植民地化する方向に動いている」という小泉・竹中政治の本質に、いつまでも気づかなければ、日本は本当に何もかも失ってしまうと思います。S氏の話は、日本が容易ならざる事態に追い込まれていることを示しています。

 S氏の話で、もう一つ興味深いことがありました。日韓関係のことです。S氏は米国で暮らしていますが、最近、韓国外交関係者と話し合ったとのことです。そのときの韓国の方の話は次のようなものだったそうです。
 「島根県議会の『竹島の日』条例を指導したのは小泉首相側近の細田官房長官。小泉首相に言われて細田官房長官がやった。小泉首相にやられた」
 韓国側の捉え方は、小泉首相→細田官房長官が、島根県議会を動かして、「竹島の日」を決めた、というのです。韓国政府の怒りが小泉首相に向いている原因はここにあります。」


「 
2005.4.6
2005年森田実政治日誌[91]

小泉・竹中政治を否定することなくして日本の未来なし【その5】――国会は、国会審議を欠席した竹中郵政民営化担当大臣の問責決議を直ちに行うべし

 4月6日(水)の各紙朝刊は「竹中氏の郵政審議欠席」を伝えました。4月5日の衆議院総務委員会に出席予定だったのに急遽欠席したのです。東京新聞と日本経済新聞の記事を引用します。東京の記事中の見出しは「前代未聞……『法案準備で多忙』理由に」です。
《衆院総務委員会は五日、出席予定だった竹中平蔵郵政民営化担当相が郵政民営化法案の調整などを理由に急きょ欠席したため審議に入らず散会した。民主党は「前代未聞で許し難い」(岡田克也代表)として竹中氏の不信任決議案提出も視野に入れている。
 この日総務委員会では郵政事業に関する審議を行う予定だったが、竹中氏は審議開始直前、「郵政民営化法案の早期提出のため、一刻の猶予もない」と欠席を通告。実川幸夫委員長(自民党)はいったん委員会を開会して、「遺憾の意」を示した上で散会とした。
 竹中氏は同日午後の衆院本会議の答弁で「(総務委出席の)合意が、与野党間でなされていたとは承知していない」と釈明した。
 これに対し、民主党の安住淳・同委理事は記者団に「竹中氏の出席は先月二十九日に与党の理事と合意していた。忙しいから国会に出られないというのは閣僚の適格性に欠ける」と批判した。
 衆院事務局によると、答弁を要求された閣僚が病気などの理由以外で当日になって出席できないと通告し、審議が行われなかった例は過去にないという。》(東京新聞)

 日本経済新聞の見出しは「『竹中氏不信任案』提出論が浮上」「民主が衆院委欠席批判」です。記事は次のとおり。
《民主党の岡田克也代表は五日の記者会見で、竹中平蔵郵政民営化担当相が同日の衆院総務委員会を欠席したことについて「国会審議の重要性を真っ向から否定する行動は厳しく批判されるべきだ」と非難した。 民主党内には「閣僚としての資質を問うべきだ」として竹中氏の不信任決議案を提出すべきだとの声も浮上。自民党の国会対策委員会幹部は「(竹中氏の欠席を)野党が聞いていなかったというのは違う。しっかり話していた」と釈明した。》(日本経済新聞)
 このような場合、まず「問責決議」を提出するのが、常識的だと思います。自民党、公明党の両野党も問責決議案であれば直ちに「否決する」というわけにはいかないでしょう。
 竹中氏こそは、日本経済を停滞させ、失業者を増やし、フリーター、ニートを激増させ、多くの中小零細企業を倒産させ、多くの人々を自殺に追い込んだ経済政策失敗の責任を負うべき人です。吉川元忠神奈川大学教授によれば、竹中氏はアメリカ政府の「エージェント」であり「トロイの木馬」です(同教授著『円がドルに呑み込まれる日』より)。
 もちろん、竹中氏に経済政策を丸投げした小泉首相にも責任はあります。まず問責決議案をぶつけられるべきは小泉首相ですが、現実に、竹中氏は国会を軽視し、侮辱しました。国会はこの責任を直ちに問うべきです。民主党は竹中郵政民営化担当相の「問責決議」を第一歩として、この理念なき無意味な混乱だけをつくる小泉郵政改革に引導を渡してほしいと願うものです」


2005.4.7
2005年森田実政治日誌[92]

小泉・竹中政治を否定することなくして日本の未来なし【その6】――畏友S氏からの手紙《「外国株対価のM&A」と民主党の対応について》
「行を省みる者は其の過ちを引かず」(晏嬰〈あんえい〉)
[反省を怠らない者は同じ過ちを繰り返さない]

 畏友S紙から手紙をいただきました。朝日新聞(3月26日付け)がオピニオン欄で関岡英之氏(ノンフィクション作家、『拒否できない日本』の著者)の論説を掲載し、全国紙として初めて「年次改革報告書」の存在を開示することに踏み切ったことを私が高く評価したことについて、同意の感想を寄せてくれました。Sさん、ありがとう。
 「年次改革要望書」とは、正確に言えば、「米国政府の日本政府に対する年次改革要望書」のことです。1993年夏、日本の宮沢首相と米国のクリントン大統領の間で合意し、1994年から年に一度、日米両国政府間で交換されている重要文書です。交換の時期は秋、ほとんどが10月、11月です。米国側はこの文書を公表しています。在日米大使館のホームページで正文(英文)と日本語訳文を公表しています。
 「日本政府の米国政府に対する年次改革要望書」も毎年作成され、米国政府に渡されているはずですが、少なくとも、政府の広報紙的役割を果たしている全国紙(朝日、毎日、読売、日経、産経の5紙)で見ることはできません。日本政府は、事実上、「年次改革要望書」の存在を隠していると言って過言ではないと思います。国会でも議論されていません。
 ところが、関岡英之氏が『拒否できない日本』で明解に分析したとおり、「米国政府の日本政府に対する年次改革要望書」は、事実上、「米国政府の日本政府に対する構造改革指令書」になっているのです。
 1990年代後半期の「橋本内閣による五大改革」(のちに教育を含めて六大改革)、2000年代前半の「小泉構造改革」その他の大改革は、「米国政府の日本政府に対する年次改革要望書」を指針として行われてきました。1990年代後半期以降の“大改革”はほとんどすべて米国政府の指示によるものでした。この真の“種本”は最近まで隠されていましたが、関岡英之氏がその著書『拒否できない日本』でその存在を明らかにし、このたび、関岡氏の論説をオピニオン欄に掲載するという婉曲な形とはいえ、朝日新聞が全国紙としては初めて公表したのです。この意味は大きいと思います。
あえて言えば、1990年代後半期以降の日本の政治は、「米国の、米国による、米国のための」政治を行ってきたのです。90年代は「クリントン政権のための政治」でした。21世紀初頭の日本の政治は「ブッシュ政権のための政治」を行っているのです。

 「まえおき」が長すぎました。今日、ここで取り上げたかったのは、「外国株対価のM&A」と民主党の態度に関してです。民主党は「米国一辺倒的な政策」を見直し、日本国民のための政治に切り換えてほしいということを言いたいのです。民主党に米国第一主義をやめてほしいのです。友人S氏は私に次のように伝えてきました。
 《4月1日付け日本経済新聞は、今回自民党が「外国株対価のM&A」の解禁を1年凍結したことに対し、「米国通商当局高官」が「強い失望を表明した」ということを報道しています。この問題も、BSE、郵政民営化と並び、今後「新日米摩擦」の三本柱の一つになっていくと思います。ただ、気になるのは、民主党が「外国株対価のM&A」の1年凍結に反対を表明したことです(4月3日付け日経)。(民主党は)郵政民営化にはようやく反対姿勢を固めたのに、これはまたどういうことでしょう。民主党内の対米追従派に先手を打たれてしまったのでしょうか。残念です。》

 Sさん。実は、私は「民主党の従米主義体質」「民主党の小泉構造改革への追従体質」「民主党の小泉補完勢力的体質」を以前から知っており、ずっと心配していました。それでも従米そのものの「小泉・竹中」よりはマシだと考えていました。しかし、最近、自民党内において「脱小泉」「脱従米主義」の動きが顕在化し、民主党の「従米・従小泉的体質」が浮き彫りになってきました。
 私は、最近、二、三の民主党幹部に「従米主義」ではなく「自立主義」の政治を行うことを要請しました。「小泉構造改革補完勢力的体質」を克服することを強く求めました。しかし、明快な返事をもらうことはできませんでした。
 そこで、少し民主党を調査してみました。その結果、由々しきことがわかってきました。「日本の米国化」を「善」と考えている「小泉チルドレン」的な若手政治家が意外なほど多いのです。高学歴の若手政治家の多くが「従米主義者」または「従米主義シンパ」なのです。私は衝撃を受けています。
 Sさん。民主党議員は目を覚ましてほしいと強く願っていますが、「従米主義政治」を実行するために民主党に送り込まれたのではないかと疑いたくなるような人物もいるようです。

 「『外国株対価のM&A』解禁の1年凍結」は、「ライブドアに乗っ取られたニッポン放送の悲劇」がもたらした数少ないプラスの代償です。ニッポン放送の悲劇、ニッポン放送の経営者と社員の苦悩が「外国株対価のM&A」の危険性を政治家と国民に教えたのです。自民党がこの解禁を1年凍結したことは当然のことなのです。これでも不十分です。永久に凍結すべきです。
 ここでまた、民主党は過ちを犯しました。また米国の側に立ちました。「小泉・竹中」の側に立ちました。
 4年前、民主党は致命的な過ちを犯しました。自民党内で正論を主張し小泉構造改革を批判した「正義の士」を、小泉首相とともども「抵抗勢力」と言って攻撃したのです。自民党内の「抵抗勢力」(実は「正義の士」)は、小泉首相・マスコミ・民主党の連合軍に包囲されて潰されてしまったのです。民主党は明らかに「小泉補完勢力」でした。すなわち従米主義集団でした。
 いままた、民主党は米国の手先として行動しようとしています。これは民主党にとって自殺行為です。

 民主党には、「日本国民の政党」になってほしいと願うばかりです。「米国による日本大改造」の尖兵にだけはならぬよう祈るばかりです。私は民主党内の「日本派」は今後も応援したいと考えていますが、「従米主義者」に対しては批判の矛先を向けざるを得なくなりました。Sさん、ではまた。」


「 2005.4.10
2005年森田実政治日誌[95]

小泉外交は失敗した。小泉首相は自らの責任を自覚すべきである
「最も正しき戦争よりも、最も不正なる平和を取らん」(キケロ)

 昨夜、生涯を技術者としていき、政治とはほとんど無縁の人生を送ってきた(と私が思い込んできた)50年以上のつき合いのある親友と電話で話す機会がありました。彼はこう言いました。
 「ぼくはまだ研究者として国際的な仕事をしているが、日本とアジア諸国、とくに中国、韓国との関係が非常に悪くなった。小泉さんが首相になってから、どんどん悪くなってきて、最近爆発した感じだ。どうにかならないのか。小泉さんはいつまで首相をやるのか。小泉首相ではアジアの対日感情は悪くなるばかりだ。森田君、このことを国民に知らせてくれ」
 友人の話はさらにつづく。
 「この世界の中にいるのが日本人だけなら、小泉首相が靖国神社に参拝しようが、何を言おうがさして問題はないが、アジアの隣国には第二次大戦で日本軍から被害を受けた人々がいる。被害者の子孫がいる。こういう人々にとって、戦争犯罪者しかもとくに責任の重いA級戦犯を祀ってある靖国神社を日本の内閣総理大臣が参拝しつづけていることは、不愉快極まりないことだと思う。小泉さんは、相手の傷口に塩をすり込むような無神経なやり方をしている。最近の中国、韓国内の動きは、小泉首相のこのようなアジア人の感情を逆撫でするようなやり方への不満が積もりつもって爆発したのではないか。小泉首相のようにアジアの人々の気持ちを理解できずまた理解しようともしない首相を、日本国民が支持しつづけていることにも、不満をもっている。本当にどうにかしてほしい」

 小泉外交は完全に失敗しました。小泉流の行き当たりばったり主義では外交はうまくいかないのです。冷たい心では相手の信用は得られません。北朝鮮外交も完全に行き詰まりました。中国外交も失敗しました。日中関係は危険水域に入っています。日韓関係はより深刻です。日米関係もごたごたしてきました。牛肉問題があります。「三角合併」解禁凍結問題もあります。小泉首相は外交面で完全に失敗したのです。ところが小泉首相の態度はまるで「他人事」です。自らの非を反省してほしいと思います。本来なら、総辞職すべき事態です。

 大事なのは平和です。自己主張を押し通すために戦争するなどというのは愚かなことです。平和のためには隣国との友好が必要です。これができないなら、やめてもらうしか道はないのです。平和が最も大切です。」




『森田実の時代を斬る』



http://www.pluto.dti.ne.jp/%7Emor97512/



posted by ソフィオロジスト at 19:42| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/2905371

この記事へのトラックバック

年次改革要望書
Excerpt: 年次改革要望書 † 駐日米国大使館:仮訳 JANJAN 米国政府による日本改造(構造改革)が進んでいる:『拒否できない日本』関岡英之(文春新書) 深夜のNews 北海道新聞 アメリカの..
Weblog: PukiWiki/TrackBack 0.1
Tracked: 2005-06-29 17:46
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。